「ばさら大名」として世に知られる道誉は永仁4年(1296年)宇多源氏の流れをくむ佐々木家に生まれ、鎌倉時代末期から南北朝の動乱にいたる激動の時代を生き抜き、78歳という長寿をまっとうした。
多くの武将たちの中でも異彩を放つ「ばさら」ぶりは道誉の性格の重要な一面である。
だが、道誉の真骨頂は室町幕府の重鎮として幕府政治の確立に貢献し、4世紀にわたる近江守護職を継承したことにある。
さらに、連歌・和歌・田楽・猿楽および茶・香・花など文芸・芸能等を世に広め、中世文化芸能の中興の祖と云われている。
まさに、佐々木道誉は文武両道に通じた希有な中世人であった。
佐々木道誉の菩提寺勝楽寺(甲良町正楽寺)には、道誉画像(国指定の重要文化財)と道誉の宝篋印塔がある。